読売新聞(2008/9/30)
2008年9月30日 読売新聞(夕刊)「なかだえりのさんぽるぽ」にて、慈久庵が紹介されました。
紹介された内容を記載いたします。
故郷の土で蕎麦作り
どこにでもありそうでどこにもない、深く豊かな里山と田畑。その間にこの地に古くから根ざした民家がポツリと立っている。茨城県旧水府村、ここに蕎麦店「慈久庵」はある。
店主の小川宣夫さんとは知りあいであるが、見せに入ると私はいつも軽い緊張を覚える。言葉少なめに客を迎え、そばを支度し、運び、片付ける一連の所作や、空間にあるすべてには無駄もすきもない。無愛想にも見えるが、すべきことをひとり淡々とこなす真面目さに、こちらも背筋が伸びる。
7年前、すでに有名だった東京・阿佐ヶ谷の蕎麦店を閉め、故郷に戻って、一から蕎麦づくりを始めた。古来、この土地でも行なわれていた焼き畑に挑戦し、土壌を改良して昔ながらの在来農法をよみがえらせた。
そうした努力によって、今では驚くほどおいしい蕎麦の実が収穫できるまでになった。消費者には安全で室の良いものを、農家には経済性とやりがいを。念を追うごとに小麦や茶葉など品目も増えた。賛同してくれる50軒あまりの地元農家とともに、人間と自然が共生できる里山づくりにもひたむきに取り組んでいる。
そんな慈久庵で出される蕎麦は、それはもう純粋無垢で清らかで、姿も形も形容しようと思ってもありきたりな言葉ではとても表現できない。小高い所にある店のテラスから外を眺めると、この風景の一つ一つからこの蕎麦が出来上がっているのだとしみじみ思えてくる。
▼慈久庵
茨城県常陸太田市天下野町2162
午前11時半〜午後2時半
水・木曜定休日(祝日は翌日休み)。










